清水 淳

写真家

生年月日:1964年2月1日

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プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。
テクニカルダイビングの技術を基盤に、極限環境での水中撮影を専門とする水中写真家。メキシコ・セノーテをはじめ、世界各地のケーブや沈没船、深海域など、光の届かぬ領域を舞台に独自の表現を追求する。
2025年7月、清水とチームが日露戦争時に沈没した「常陸丸」を発見・撮影。119年の眠りを破った歴史的記録として注目を集めた。

沖縄・那覇を拠点に、水中写真教室「マリーンプロダクト」を主宰。カメラメーカー各社の開発アドバイザーとして、水中撮影モードやホワイトバランスの開発に携わる。
1998年のOLYMPUS C-900 Zoom以降、最新のTGシリーズに至るまで、すべてのOLYMPUS水中モデルのチューニングとテスト撮影を担当。
その経験と知見をもとに、水中撮影アクセサリーメーカー「AOI」の製品開発および日本国内での展開も手掛ける。

執筆活動では、「ダイバーと海の総合サイト/オーシャナ」にて水中撮影機材とテクニックをテーマに連載中。
また、PADI Japan「デジカメ上達クリニック」、OM SYSTEM 公式ウェブサイト(「写真家 清水淳×OM-1」OM SYSTEM Tough TG-7 × 写真家 清水 淳、幅広いメディアで発信を続けている。

水中撮影を“楽しみながら極める”ためのテクニカルダイビング講座を開講し、次世代フォトダイバーの育成にも力を注ぐ。

公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。
TDIテクニカルダイビングインストラクター。
PADI Tec Trimixインストラクター。
PADIマスターインストラクター。

お客様へメッセージ

マリーンプロダクトの水中写真教室は、
「水中写真をもっと楽しみたい」というお客様の想いを叶えたい——
そんな、シンプルでまっすぐな気持ちから始まりました。

まだ水中でデジタルカメラを使う方法が確立されていなかった頃から、
「どうしたらもっと簡単に、手軽に、思った通りの写真が撮れるのか?」
それをずっとテーマにしてきました。

私たちはまず、機材を水中写真に最適な状態にチューニングするところから始めます。
撮りたいシーンに合った機材を選び、
シンプルで扱いやすいシステムを整えることが大切です。

おすすめしているのは、OLYMPUSのTGシリーズとOM-Dシリーズ。
このカメラたちは、難しい理論を覚えなくても直感的に撮れるんです。
「もう少し明るくしたいな」と思ったらダイヤルを右に。
「フラッシュが強すぎる」と感じたらノブを左に。
ピントがずれたら、ボタンでフォーカスマークを動かすだけ。
それだけで十分なんです。

大切なのは、撮影の現場で被写体と向き合うこと。
その瞬間に、自分の感じたままに明るさやピントをコントロールする。
それが“正しい撮影システム”と“心で撮る写真”だと、私たちは考えています。

ですので、機材を揃える前にぜひ一度ご相談ください。
最新のモニター機材を使いながら、
被写体に合わせた撮影テクニックを体験していただけます。
簡単に操作できて、素晴らしい作品が撮れる——
そのシステムと撮影手法をお伝えすることが、私たちの使命です。

私自身の作風は、伝えたいものをぼかさず、ストレートに伝えること。
作品の主人公が、美しい背景の中で引き立つように意識しています。
そして、レタッチに頼らず“撮って出し”でも勝負できるように撮ること。
これをいつも大切にしています。

もちろん、Photoshopなども使います。
でもそれは、作品を出力するために必要な最低限の補正にとどめています。
「写真はプリントして額装してこそ完成する」——
少し古い考えかもしれませんが、これが私の写真に対する想いです。

お客様にはいつも、こうお伝えしています。
「ワイドもマクロも、どちらも楽しめる写真家になってください」と。
マクロ派、ワイド派と分けるよりも、
画角が違うだけで、撮り方の本質は同じなんです。

学ぶ環境によって、得意・不得意が決まることもあります。
でも、どちらにもそれぞれの楽しみがあります。
倍率や画角が変わるたびに、新しい発見があるんです。

2021年から、マリーンプロダクトは撮影フィールドをさらに広げました。
癒しの慶良間ダイビングはもちろん、慶良間外洋、渡名喜島、粟国島、
沖縄本島西海岸や本部エリア、そして沈船USSエモンズまで——
幅広いロケーションで、水中写真の楽しみをお伝えしています。
海の中での出会い、そして皆さんとの出会いを、心から楽しみにしています。

清水淳 撮影作品

メキシコ/EL PIT

カメラOM SYSTEM O-M1MKⅡ
レンズOLYMPUS MZD8mmFishEyeF1.8
フラッシュ自然光

透明感が出るように距離が異なる様々なものを画面に入れ込む。
モデルさんとの距離を適切保ちながらフィッシュアイ独特の表現力でダイナミックさを演出する手法を用いる。岩肌のディテールが出るようにやや俯瞰で撮影する。

メキシコ/NOHOCHI

カメラOM SYSTEM OM-1MKⅡ
レンズOLYMPUS MZD8mmFishEyeF1
フラッシュ自然光

不思議感たっぷりのケーブ作品。暗闇の中にもこんな素晴らしい世界がある。

渡名喜島/五六ノ崎

カメラSONY A7Ⅳ
レンズSONY FE28mmF2.0+Fisheye converter
フラッシュOLYMPUS UFL-2×2

蛍光色に輝くサンゴと鮮やかなオレンジの魚たちが濃いめのブルーバックに映える作品となった。
この作品が撮りたくて何度も同じダイブサイトに通い詰めて、フラッシュの発光量と構図、露出データや撮影時間帯を探った。6度目の撮影でほぼ設計図が出来上がった時点でモデルさんに入ってもらいこの作品を仕上げた。でもまだ撮り足りない。


チューク/一式陸攻

カメラSONY A7Ⅳ
レンズSONY FE28mmF2.0+Fisheye converter
フラッシュ自然光

80年前の航空機とは思えないほど良好な状態の一式陸攻。太陽を入れた構図でブルーから白へのグラデーションがどのようになるかを確認するために
縦構図で撮影。極端なトーンジャンプがなく、15ストップと広いダイナミックレンジを持つフルサイズ機の特徴を活かした仕上がりとなった

沖縄本島/本部緑地

カメラSONY A7CⅡ
レンズSONY FE28-60mmF4.0-5.6 & AOI UCL-09PRO
フラッシュAOI UCS-Q1i ×2

砂粒が玉ボケになりウミウシの可愛らしさに磨きがかかる。これがキットレンズの作品とは思えない程の描写力がある。
撮影を初めてすでに70分が過ぎた頃、この極小なウミウシを見つけてしまった。
クローズアップレンズを高倍率型のUCL-09PROから超高倍率のUCL-900PROに変えてアプローチ1mmあるかないかの極小サイズ。
ここはボケの中に浮き出るようにウミウシを表現しようと絞り値を開放まで開けた。
安価なクローズアップレンズを使うと、画面中央の解像が保たれるのだが、画面端に行くにつれてボケて溶けてしまう仕上がりになる。
この作品の画像の端を見てもしっかり改造しているのが分かる。PRO使用のこのCUレンズなら画面の端に主要な被写体を配置して撮影することが可能。

沖縄本島/今帰仁

カメラSONY A7CⅡ
レンズSONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS
フラッシュAOI UCS-Q1i ×2

美しいボケ味と高解像度が両立する作品になった。流石SONYのGレンズ。
水深50mに35分間じっくりと撮影を楽しめた。減圧に要する時間は50分。ドリフトでの減圧には
気が長くて慎重なキャプテンが欠かせない感謝しています。