カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 mark Ⅱ |
レンズ | LUMIX G FE 8mm F3.5 |
ライト | 無し |
フラッシュ補正 | 0.0 |
撮影モード | 水中モード |
F(絞り値) | 6.3 |
シャッター速度 | 1/250 |
露出補正 | -2.3 |
ISO(ISO感度) | 200 |
撮影地 | 渡名喜島 |
水中写真における被写体には、美しいサンゴ礁やソフトコーラル、色とりどりの魚たち、ウミガメやマンタなど、それこそ『水中に存在するもの全てのもの』が当てはまります。
一方、レジャーダイビングにおいて単独での潜水は安全上禁止されていますから、水中撮影をしようとするあなたのそばには、必ずバディやガイドといった『ダイバー』の存在があり、その気になればいつでもダイバーを被写体として撮影することができます。
今回は、特に水中ワイド撮影において、ダイバーを被写体として活用することで作品レベルを1ランクアップさせる方法をご紹介します。
⑴ 『ソフトコーラル&ダイバー』遠近法を利用してソフトコーラルの大きさを誇張する。
派に育った色鮮やかなイソバナやウミトサカは、水中ワイド撮影において狙いたい被写体のうちのひとつです。
もちろんソフトコーラルだけを被写体に撮影しても作品として成り立ちますが、背景の海の部分にダイバーを入れることで、近景のソフトコーラルの大きさを実際より大きく見せることができます。
ダイバーが小さく写るよう、遠くにいるダイバーを狙うのがコツです。
背景にダイバーを小さく撮りこむことで近景のソフトコーラルの大きさが誇張されている。
⑵ 『沈船&ダイバー』ダイバーと船体の大きさと比較することで実際のスケール感を表現できる。
沈船ダイビングは、沈船そのものの迫力や、歴史やロマンを感じることのできる人気のダイビングです。
特に、水中の被写体としては、沈船の大きさによる存在感を表現したいところです。
そんな時は、沈船とダイバーを、撮影者から同距離にあるように撮影するのがおすすめです。
観る人がダイバーと沈船の大きさと比較することができ、沈船の大きさを想像することができるため、スケール感を伝えることができるようになります。
⑶ 『ケーブ&ダイバー』地形のシルエットにダイバーを撮り入れることで動的要素を加える
中には、サンゴ礁や岩礁が作り出した洞窟やトンネルもあり、地形派ダイバーに人気があります。
輝く太陽の光が、光線となって水底に届き、複雑な地形の陰影が神秘的な雰囲気を作り出します。
一方で、自然光の美しさを活かすためにフラッシュやライトをOFFで撮影することが多く、陰になる部分が多いために魚などの生物を被写体とすることが難しいシーンでもあります。
このような地形撮影のシーンでは、ダイバーを撮り入れることで、静的な印象が強いシルエット写真に動的な要素を加えることができ、作品をより魅力的にすることができます。
水中洞窟のシルエット撮影。ダイバーを撮り入れることで、構図に動きを加えることができる。
⑷ 『エキゾースト・エア&ダイバー』立ち上る排気で、海の深さを表現する。
沖縄のように透明度の高い海では、時に水面から深度50mの水底を見ることができる場合もあります。
水中を泳ぐダイバーから排気されたエアが水面まで立ち上る様を撮ることで、海の透明度と深さを同時に表現することができます。
ダイバーとダイバーから排気されたエアを撮影することで、高い透明度と海の深さが強調される。
⑸ 『地形&ダイバー』ダイナミックな地形とダイバーは相性抜群。
慶良間海域には、ダイナミックな地形を楽しめるダイブサイトが数多く存在します。
地形撮影は遠景の構図になりやすく、そこに生息するサンゴや魚は小さく写り込んで目立たなくなるため、どうしても静的な要素の強い作品になりがちです。
ここでも、ダイバーを撮り入れることが有効となります。
ダイバーは、実はたいていの水中生物と比較してかなり大きい存在ですので、遠景の地形撮影でも存在感がありしっかりアクセントとしての効果が発揮されます。
ダイバーと、ダイバーの排気するエアが構図に動きをもたらして、生き生きとした作品になります。
ダイナミックな地形にダイバーが加わることで、静的なイメージに動的イメージが加わっている。
⑹『サンゴ礁&ダイバー』美しいサンゴ礁にダイバーを加えて、より面白味のある写真にする。
美しいサンゴ礁とそこに生息するコーラルフィッシュの群れの組み合わせは、沖縄の海でぜひ狙っていただきたいワイド撮影と言えます。
しかしながら、人気のあるシーンだけに、同じダイブサイトに参加されるダイバーの数も多くなりがちです。
そんな時は、むしろ積極的にダイバーを上手に構図に撮りこむことで、作品レベルを上げることができます。
バディと協力して、お互いを撮影しあうことで良い作品が生まれることもあります。
⑺ 『ダイバーが主役』ダイバーを近くで撮影することで、ダイビングそのものの雰囲気を表現する。
上述の作例では、ソフトコーラルとダイバー、沈船とダイバーという様に、主題にダイバーを加えていく手法を用いての撮影でしたが、もちろんダイバーを主役に作品作りをすることもできます。
主題に対してダイバーを加えていく手法では、どちらかというとダイバーは主張し過ぎない方がバランスが良く、写り込むダイバーのサイズが大きくなり過ぎない様に、遠いところにいるダイバーを撮り入れるのがコツといえます。
また、フラッシュやライトと言った補助光を当てずにシルエットで加えるのも大切なポイントです。
逆に、ダイバーを主役にする場合は、ダイバーが大きくなる様に比較的近くで撮影します。
また、必要に応じてフラッシュやライトを使って明るく色鮮やかに撮影します。
ダイバーが主役になる様に撮影することで、撮影した時のダイビングそのものの雰囲気や臨場感を表現することができます。
水中洞窟を進むダイバーを水中ライトで照らし、進行方向から撮影することで、水中洞窟を探検する雰囲気や臨場感を表現することができる。
以上、水中ワイド撮影における7つのダイバーの活用術をご紹介いたしました。
どのシチュエーションにおいても大切なことは、中途半端にならない様に、『しっかりダイバーの全身を撮り入れる』ことです。
また、ダイバーが水中ライトを持っていると、より強いアクセントをもたらしてくれます。ライトを持っているダイバーを積極的に狙ってみましょう。
みなさんも積極的にダイバーを撮り入れることで、ぜひ作品レベルをアップさせて下さい。
ワンポイントアドバイス
作品レベルをアップさせるダイバー活用術として、次のことに気をつけて撮影しましょう。
- 『ソフトコーラル&ダイバー』
遠近法を利用して大きさを誇張する。 - 『沈船&ダイバー』
ダイバーの大きさと比較することで実際のスケール感を表現できる。 - 『ケーブ&ダイバー』
地形のシルエットにダイバーを撮り入れることで動的要素を加える。 - 『エキゾースト・エア&ダイバー』
立ち上る排気で、海の深さを表現する。 - 『地形&ダイバー』
ダイナミックな地形とダイバーは相性抜群。 - 『サンゴ礁&ダイバー』
美しいサンゴ礁にダイバーを加えて、より面白味のある写真にする。 - 『ダイバーが主役』
ダイバーを近くで撮影することで、ダイビングそのものの雰囲気を表現する - ダイバーはしっかり全身撮り入れる。
- ライトを持ったダイバーを積極的に狙う。