カメラOLYMPUS E-M1 mark Ⅱ
レンズテレコンバーターEC-20 + 50mm macro
ライトRGBlue supernatural color system03
フラッシュ補正発光禁止
撮影モード水中マクロモード
F(絞り値)4.0
シャッター速度1/400
露出補正0.0
ISO(ISO感度)200
撮影地沖縄本島

写真において、『どこにピントが合っているか』はとても大切な要素です。

特に、マクロ撮影においては『ピントが命』と言っても過言ではないでしょう。

ピントが合っているところは、はっきり鮮明に写るため、その部分の詳細を確認することができます。

それによって造形の美しさや色彩の鮮やかさが見る人にしっかりと伝わります。

反対に、ピントが合っていないところはぼんやりし、詳細が曖昧になります。いわゆる『ピンボケ』の状態です。

今回、水中マクロ撮影におけるピント合わせのコツをご紹介します。

(1)眼にピントを合わせる

陸上、水中を問わず、眼を持つ生き物を撮影する時には、その眼にピントが合っていることが大切です。

眼にピントが合っていないと、どんなに構図や露出が良くても全体的にぼんやりした印象の写真となり、『ピンボケ写真』として見られてしまいます。

ここでは、水中マクロ撮影の被写体として人気のウミウシを例に挙げます。

ウミウシ類は、眼を持たない種が多数です。

眼を持たないウミウシを撮影する場合は、眼に相当する触角にピントを合わせる必要があります。

次の2枚の写真を比べて見ると、触角にピントが合っているか否かで大きく印象が変わることがわかります。

水中マクロ撮影では、頑張って眼(触角)にピントを合わせてください。

失敗例:触角にピントが合わなかったホシゾラウミウシ
成功例:触角にピントが合っているホシゾラウミウシ

(2)
片方の眼(触角)にしかピントを合わせられない時は、手前側にある方に合わせる

マクロ生物を撮影する際の構図はいろいろありますが、正面方向からの撮影以外では、左右2つある眼(触角)のうち、どちらか一方にしかピントを合わせられない場合が多くなります。

こんな時は、必ず手前側(撮影者に近い側)の眼(触角)を狙うようにしましょう。

奥側(撮影者から遠い側)にだけピントが合っていても、手前側の眼にピントが合っていなければ、見る人はピンボケ写真だと見なしてしまうからです。

次の2枚の写真を比べて見ると、印象の違いが分かると思います。

失敗例:奥側の触角にピントが合っているユウグレイロウミウシ
成功例:手前側の触角にピントが合っているユウグレイロウミウシ

正面から撮影する時は、両方の眼(触角)に合わせるとより良くなるー『ピントは面で合わせる』

被写体の正面方向からの撮影は、可能な場合、必ず狙ってみて欲しい構図です。

正面方向からの撮影では、左右の眼や触角を同時にピント合わせすることができ、より生物をいきいきと表現することができるからです。

ここで、『ピントをあわせるAFターゲットは1点(または1エリア)なのに、2つの眼や触角に合わせられるの?』という疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

確かにカメラのモニター上、AFターゲットは1点(または1エリア)を指していますが、実際には、カメラのセンサー面からAFターゲットを合わせたところまでの距離と同じ距離にある全ての物体にピントが合っています。

つまり、ピントは『点』ではなく『面』で合わせることができるのです。

ウミウシの触角の左右両方を、ピントが合う同一面上にあるようにカメラの角度を調整して撮影すると、左右両方にピントを合わせることができます。

左右の触角両方にピントが合っているユウグレイロウミウシ

また、この『ピントを面で合わせる』テクニックを応用すれば、カクレエビなどの甲殻類を撮影する時に、眼と同時にその特徴であるハサミにもピントを合わせることができ、より魅力的な写真となります。

左眼と左腕のハサミにピントが合っているナデシコカクレエビ

『〇〇〇〇』については、こちらの投稿もぜひご覧下さい。

ワンポイントアドバイス

水中マクロ撮影をする場合、次の点に気をつけてピントを合わせましょう。

  • 被写体の眼(触角)にピントを合わせる
  • 片方の眼(触角)にしかピントを合わせられない時は、手前側にある方に合わせる
  • 正面から撮影する時は、両方の眼(触角)に合わせるとより魅力的な写真になる
  • ピントは点ではなく『面』で合わせる